健康・食事に関するおすすめの本5冊をご紹介します。


チャイナ・スタディー 葬られた「第二のマクガバン報告」
The China Study: The Most Comprehensive Study of Nutrition Ever Conducted And the Startling Implications for Diet, Weight Loss, And Long-term Health

米コーネル大学の栄養学の教授であるコリン・キャンベル氏とその息子のトーマス・キャンベル氏の共同著書。糖尿病、癌、心臓病など、アメリカで蔓延する病気とたんぱく質摂取の関係性の調査を始めたキャンベル教授が、フィリピンでの実地調査、マウスの実験を経て、1983年に行った中国での大規模な調査「チャイナ・スタディー」の結果をベースに、食事とさまざまな病気との関係性を明らかにした本です。

チャイナ・スタディー(China-Cornell-Oxford Project)は、中国65県の成人約6,500名を対象として、尿・血液検査を含めた健康状態の検査を行い、調査員が現地に出向き、対象者の食事を記録すると共に、食材のサンプルを持ち帰りそれぞれの栄養数値を計り得た膨大なデータを数年かけて統計学的に分析したもので、栄養・食事が健康にもたらす影響について行われた研究調査として、歴史上最大規模と言われています。

本書では、動物性食材の摂取が癌、糖尿病、心臓病を引き起こす原因となる高い可能性を示唆するチャイナ・スタディーの研究結果に加えて、心臓病、肥満、糖尿病、癌、自己免疫疾患、その他、骨・肝臓・目・脳に関わる病気のそれぞれについて、動物性たんぱく質、動物性脂肪、動物性コレステロールの摂取との因果関係がさまざまな研究結果を基に説明されています。

チャイナ・スタディーをきっかけに家族全員がヴィーガンとなったキャンベル教授が推奨するのは、Low-fat Whole Plant-based Diet=低脂肪かつ自然の形の(精製されていない形の)植物性食材をベースとした食事。日本でも流行った「低糖質ダイエット」の危険性について警鐘を鳴らしながら、長年の研究調査の結果による栄養学の観点から健康的な食事のガイドラインも示されていて、本当に健康的な食事について、科学的な、栄養学的な観点から理解する最初の1冊目として非常におすすめの本です。


食事のせいで、死なないために
How Not to Die

アメリカの医師、マイケル・グレガ—氏の著書。グレガ―医師は幼少期に、祖母が65歳で末期の心臓病と診断されながら、菜食と運動をベースとした生活療法によって病気を完治させたことをきっかけに、食事により病気を治療する医師を目指したという方です。

病気別編では、心臓病、肺疾患、脳疾患、複数種の癌、感染病、糖尿病、高血圧、肝臓疾患、白血病、重度のうつ病、パーキンソン病のそれぞれについて、病気になる仕組みを説明しながら、原因と治療法が解説されています。

食事編では、キャンベル教授と同じくWhole Plant-based Dietを推奨するグレガー医師が毎日の食事に取り入れることをおすすめする、12の食材が紹介されています。

それぞれの病気について、特定食材の驚くべき効果が詳しく書かれてあり、思い立ったらすぐに普段の食事に取り入れられるアイディアが詰まっているので、実用的な食事ガイドとしておすすめしたい一冊です。


フィット・フォー・ライフ
Fit For Life

ハーヴィー・ダイアモンド氏著のフィット・フォー・ライフは、1985年の初版から現在までに、1300万部以上が刊行されたロングセラー本。水分を多く含む食べ物を食べること、正しい組み合わせで食べ物を食べること、果物を正しく食べること、という3つの原則に基づいた食事法を提唱するものです。

食事の70%を水分の多い食べ物にすることを前提として、果物が人間にとって最も完全な食べ物として、特に新鮮な生の果物に重きを置くなど、フィット・フォー・ライフのベースであるナチュラル・ハイジーン(自然健康法)の考え方は、私たちの食事の常識とは全く異なったものかもしれません。しかし、本書を読み進めていくと、それがしっくりと受け入れられるのが不思議です。

中でも私が一番目から鱗と感じたのは、たんぱく質についての記述です。ヴィーガンの食事について、「たんぱく質不足」を懸念する方が多く、私も以前はその一人でした。それが、「私たちの体のタンパク質は、タンパク質を食べることによって体内で作られるのではないのである…タンパク質はタンパク質を摂取して作られるのではなく、食べ物の中に含まれるアミノ酸から作られるのだ」とし、さらに、肉食動物が他の肉食動物を襲わず、植物を食べる動物を本能的に選んで食べているという箇所で妙に納得してしまいました。

長年信じてきた食事の常識や考え方をいい意味で見直すきっかけを与えてくれる、おすすめの一冊です。


3日食べなきゃ、7割治る! 

医療や環境など、社会問題に独自の目線で切り込むジャーナリスト船瀬俊介氏のベストセラー著書。毎日三食しっかりと食べましょう、お肉をたくさん食べて力をつけましょう、といった世間でよく聞かれるアドバイスを真っ向から否定し、「空腹こそが最高のクスリ」として、小食・断食の効力が分かりやすく説明された本です。

私は陰謀説などは疑いから入ってしまうタイプですが、本書は、病気にならないために、病院に行かずに病気を治す方法の一つとしてオープンマインドで読み進めることができました。そして、実際に一日一食を5日間行い、3日間断食を行ったところ、肌の調子が劇的に改善されたため、現在は、基本的に一日1.5食(朝ごはんは食べずに、お昼はフルーツのみ、夜ご飯は普通にいただくもの)を続けています。

Whole Plant-based Diet、ナチュラルハイジーンからさらにマニアックな領域には入りますが、健康生活を究極まで追求したい方向けの一冊です。


Change Your Brain, Change Your Life

アメリカの脳分野の専門医であるダニエル・アーメン氏の著書。アーメン医師は、長年に亘って10万人以上の脳をスキャン、その画像を分析してきた方で、ご自身の娘の恋人さえも、その適正度を脳のスキャン画像で判断してしまうマニアックぶりです。

本書では、私たちが普段意識することがない脳の健康が、日常生活の中で体・心の健康に大きな影響を及ぼすことが分かりやすく解説されており、脳の健康を促進するために取り入れるべきエクセサイズ、食事、習慣が「処方」されています。

自分の行動や感情を、脳が引き起こしていることだと冷静に見つめ、コントロールするヒントがたくさん詰まった本です。和訳本は出版されていないようですが、英語の勉強にもなりますので、フィジカルな体の健康だけではなく、メンタルな心の健康にも興味がある方に是非おすすめしたい一冊です。