観るだけで元気になるインド映画5選(+番外編)をご紹介します。

インド映画と聞くと、ノリノリのインドミュージックに合わせていきなりみんなが踊りだすミュージカル調の映画を思い浮かべる方が多いかもしれません。そういった映画がインド映画の主流であることは間違いないですが、一言にインド映画と言ってもジャンルはさまざま!

実は、インド映画は年間にリリースされる作品数が世界一の巨大産業です。インドの中で多くの映画が製作され映画俳優が住む街として知られる、ムンバイの旧名「ボンベイ」にちなみ、インド映画は、ハリウッド映画ならぬ「ボリウッド」映画として愛されています。

そんな中で、元気をもらえるおすすめのインド映画をご紹介します。

ガリーボーイ
Gully Boy

インドのストリートラッパーDivineとNaezyのストーリーにインスパイアされたフィクション映画。ムンバイ最大のスラム街ダラビに住む青年が、貧困や家庭内の問題を抱えながら、ヒップホップの世界でスターとなっていく様子が描かれています。

もともとヒップホップは、アメリカで貧困や差別など、不平等な社会に対する憤りや葛藤を音楽にしたもの。「超」格差社会のインドで優れたヒップホップアーティストが生まれるのは、ある意味必然と言えるのかもしれません。

スラム街での貧困生活から、会社に就職することができた主人公。それでも、生活のためだけに働くことは自由とは言えない、と音楽の夢にかける姿に引き込まれます。設定がインド、しかもスラム街、そして主人公が保守的な環境にあるイスラム教徒ということで、自分と重ねて見ることが難しいストーリーと思われるかもしれませんが、「夢」は、国境、文化、生活の境さえも越えてしまう言葉だと感じさせてくれます。

主人公と恋人の純で真っ直ぐな恋愛も見どころの一つ。涙あり、笑いあり、盛りだくさんで、元気をもらえること間違いなしの映画です。

きっと、うまくいく
Three Idiots

私の中では、インド映画に限らず全ての映画の中でお気に入りトップ10にランクインする映画。笑いたっぷりの学園コメディではありながら、人口13億人、「超」学歴社会で過酷な競争を生き抜くことが求められるインドの学生たちの苦悩や自殺といった暗い部分もしっかりと描かれています。

お金や権力を手に入れることではなく、自分らしく生きることを選んだ主人公の誰も知らなかった過去、というサスペンスもあり。友情、恋愛、家族、全ての感動する要素が詰まっています。

ちなみに、主人公を演じるアーミル・カーンは、インド映画の全世界歴代興行収入1位を5回も主演作品で記録し、2013年にTIME誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出されたインドで最も有名な俳優の一人。こちらの映画では、なんと44歳にして大学生を演じていて、その演技力も見どころです。

インド映画ならではの、いきなりの歌や踊りといったミュージカル要素もあります。2時間50分と長めですが、もっと観ていたいと思わせてくれる、元気をくれる映画です。

ミルカ
Bhaag Milkha Bhaag

インドの歴史上で一番有名なアスリートと言っても過言ではない、短距離ランナーのミルカ・シンの半生を描いた実話に基づく映画。インド・パキスタン分離独立の際に、両親と兄弟が目の前で虐殺され、孤児となったミルカ・シンは、難民キャンプでの生活を経てインド軍に入隊します。そこで出会ったのが、陸上競技。

単なるアスリートのサクセスストーリーに留まらず、ミルカ・シンが壮絶な過去のトラウマと戦いながら成長していく姿がシンプルに感動できます。インドの最も過酷な状況から誕生したヒーローの活躍に元気がもらえる映画です。

ダンガル きっと、つよくなる
Dangal

実話に基づくアスリートものをもう一作品。普段インド映画を観ないけれど、この映画はいい!と海外育ちのインド人の友人が勧めてくれたもので、「きっと、うまくいく」のアーミル・カーン主演映画ということもあり、私の中では観る前にかなり期待値が高まっていた作品でしたが、その期待を全く裏切らない素晴らしい映画です。

「インドはなぜレスリングでオリンピックメダルが取れないのか?」という問いかけから始まるこの映画。国や地方自治体のアスリート育成基盤が弱いインド、しかも小さな地方の村で女子レスラーを育てるという超難題に一人で立ち向かう父親の姿が描かれています。

インドの村では、女の子は家事や手伝いをして育ち、十代の若い頃に両親の決めた相手に嫁いでいくのが常識。そんな現実を覆すのは並大抵のことではなく、ザ・頑固おやじと周囲や家族との対立、そしてコーチとの対立など、いくつものハードルを乗り越えて、家族の絆が深まっていく様子が感動的です。

たくさん泣けて、観終わった時にはたくさん元気を感じられる映画です。

マダムインニューヨーク
English Vinglish

家族の中で一人だけ英語が話せないことをいつもからかわれていた主人公の主婦が、ニューヨークの英会話スクールで英語を学び、仲間たちとの出会いを通じて、強く成長していく姿が描かれた映画。

インド、特に主人公の暮らすムンバイでは、英語が話せるということは教養があるということであり、社会の中での位置を示す、都会人としてのソーシャルステータスとなっています。そんな中で英語が話せない主人公に対する夫のリスペクトを欠いた態度は、からかうの域を超えて怒りすら感じてしまうのですが、主人公の優しさと愛に溢れた行動で、全く暗い気持ちにさせない内容になっています。

女性の自立、家族の絆といった大きなテーマの中に、甘酸っぱい恋の予感もあり、勇気をもらえると同時に、ほんわかと元気にさせてくれる映画です。

ライオン 25年目のただいま
Lion

こちらの映画は、オーストラリアの映画でインド映画ではないので、番外編です。インドで迷子になった少年が孤児としてオーストラリアの夫婦に引き取られ、25年経って生まれ故郷を見つけ出す、という実話に基づくストーリー。

インドでは、迷子や誘拐によって孤児、ストリートチルドレンになる子供たちが多いという現実の中、貧しいインドの村で育つよりは裕福なオーストラリア夫婦に引き取られてよかったのではと正直最初は思ってしまうのですが、実の母、家族を見つけたいという想い、いなくなった子供を思い続ける母、そして、実の母に会わせたいと思うオーストラリアの母。全てが感動で涙が止まりません。

オーストラリアの母はニコール・キッドマンが熱演していますが、それぞれの俳優さんの演技もまた素晴らしい。思い切り泣いて、元気になりたい時に観たい映画です。